帯タイトルには『好きな事で生きるウラ秘訣「はぐれもの」のススメ』とある。原田翔太さんの名前はこれまで全く知らなかったが、長倉顕太さんの著書で知って、この本「絶対領域」を手に取った。
「自分にしかできないこと」それを追求した先に手に入れられるものがある。
オレはそれを「絶対領域」と呼んでいる。
「自分だからできる命の使い方」とでも言い換えてもいいかもしれない。
(同書 P 13〜14)
「自分だけにしかできないこと」に徹底的にこだわる。真の自分の人生を生きるとはどういうことか、ということを追求する、とてもエネルギッシュな一冊だ。
これからの時代で活躍するのは、世の中からはみ出した「はぐれもの」だけだ。
今というのは、そんな、完全なる混乱の時代だ。
しかし、これはオレたちみたいな存在にとっては、むしろ大チャンスでもある。
なぜか?
そういう時代に活躍するのは、「はぐれもの」と決まっているからだ。
(同書 P78、P84)
加えて出てくるキーワードが「はぐれもの」。私も会社員を辞めた「はぐれもの」の一人なだけに、この言葉もぐいぐいと気持ちを引っ張ってくる。そして私が最近気になっているワード、「教育」「奴隷」ということについても切り込んでくる。
オレたちというのは、国家によって育てられた教育の奴隷なのだ。(同書 P179)
ニーチェはこんな指摘をしている。
「あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に
別れる。自分の1日の3分の2を自己のために持っていないものは奴隷である。」
会社員であることは、奴隷であること。こんな単純なことに目を瞑って33年生きてきたんだと改めて思う。奴隷であることを認めて、その上で行動するならまだしも、「自分が奴隷だと気付かないまま、成人してからのほとんどの時間を費やしてきたこと」に悲しみを感じるよ。色々あって、会社を辞めて自由人になったけどね。少し前までは「胸を張って」自由人になった、とは、とても言えなかった。何だか、人生の落伍者になったような、何かとても悪いことをしているような、そんな感覚がどうしても拭えなかった。(だけど苦しくて辞めたんだけどね。)時間が色々なことを解決してくれる。会社員を辞めて2ヶ月半経って、物事を少しづつフラットに見る事ができるようになってきた。ゼロからスタートしよう、金銭的な不安から抜け出そう、きっとなんとかなるさ。奴隷を辞めたのだから。
原田翔太さんは、自由人になって「はぐれもの」として一歩を踏み出すために、どうしても通過しなければいけないものの一つに「孤独」を挙げている。組織を離れて、多くのサラリーマン感性とは別の行動を取ろうとすると、この「孤独」の問題に遭遇する。でも、この孤独は絶対必要なんだという。そして孤独の時間で次のことを考えるのだ、
オレは、本当にこれがやりたいのだろうか
オレは、これをやらなかったら後悔するだろうか
オレは、ちゃんと他人に価値を与えられているだろうか
オレは、まっすぐ、自分らしく生きているだろうか
(同書 P207〜208)
孤独を恐れず、自分に向き合い、やりたいことをやっていく。やりたい事が見えないかもしれない。それならば、時間に任せろ。余りに長いサラリーマン生活が自分の感受性を押し殺してしまっているのだから。
と、「絶対領域」に鼓舞された。
面白いのでぜひ読んでください。そして、一緒に「はぐれもの」になりましょう。
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