2023年5月22日月曜日

島地勝彦「迷ったら、二つとも買え!」を読んで

 元週刊プレイボーイ編集長の島地勝彦という作家がいます。わたしが彼の本に巡り会ったのは、去年の10月12日、ブックオフで本を所望していたら、飛び込んできたタイトルが「お洒落極道」(2014年、小学館)。「インテリは禁煙するがジェントルマンは吸い続ける」「文房具は男の武器であり宝石である」「シガーは人生最良の醍醐味だ」「シングルモルトには悪魔が棲んでいる」・・・。この本のエッセンスは島地が編集者時代に担当した今東光先生の「人生は極上の暇つぶし、だったら極上の暇つぶしをせい」ということだ。極上の暇つぶし、それはシガーであり、文士が使うモンブランの万年筆であり、シングルモルトを頂く、ということだ。そして、そのためにはお金を使う。恥じらうことなく、ケレン味なく使う。

 きょうのタイトルにしている島地の著作「迷ったら、二つとも買え!」(2013年、朝日新聞社)。これは島地ワールドの中でも珠玉の「お金と買い物」についてのものだ。「お金はブーメランのようなもので、大きく使えばさらに大きくなって自分の元に返ってくる。だからまずは使わなければならない。」「お金と鼻くそは溜め込むなかれ」。前提として説明しておかなければならないが、島地の買い物の基底は「美しいもの」だ。美しく、心を奪われるもの、目が離せなくなるもの、それに巡りあったら「買いなさい」、もし二つのものに心を奪われ、どちらを買うか迷ったら「二つとも買え」なのである。

 美しいものを手にいれる。値段を見ずに美しいものを選ぶ。そして買う。大きく買う。そのためには、大きく入ってこなければいけない。島地の場合は、そのためにプレイボーイの集英社を辞めてからも、文筆でどんどん稼ぐ。そして使う。島地の貯蓄はほとんどないという。島地曰く『「節約」「貯金」だけの人生でいいのか?思い切り無駄遣いして、センスを磨け。お金は使ってこそ、はじめて「武器」となるのだ』。

 投資が面白くて、先週はその話ばかりであったが、「お金に稼いでもらう」と言うことも一つの真理だが、「使わなければ、お金は入ってこない」というのもまた真実だ。お金について学ぶことは面白い。

 島地にかぶれた私は、モンブランの万年筆を買い、シングルモルトを飲み、美しいと思った服やバックを買っている。最後にもう一つ島地の言葉を引用しよう。「一般的に無駄遣いや浪費を人生の大罪と思っている人が多くいるようだが、人生の大罪はむしろ無知と退屈ではないだろうか」。

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